FC2ブログ
の・愚痴さんの書き込みを目にして
読みたくなった「猫鳴り」。
いい小説でした。

猫のモンちゃんを軸に
孤独を抱えた人たちそれぞれの
みっつのお話。
特に最終話は、老人がモンちゃんを
看取る話なんだけど、つい最近
亡くなった義父のことと重なって
読みながら涙が止まらなかった。

二十歳という猫にしては超高齢なモンが
日々衰弱していき、最期一ヶ月近く
食物を摂らず、僅かな水だけで
命をつないでいくさまが静かに
描かれている。

往診してくれる獣医さんの言葉が胸に染みる。
「悲しいのは、これはしかたのないことだと
思います。ですが、不安を抱いたり
恐れたりすることはないんですよ。
だって今起こりつつあるのは、
とっても自然なことなんですから。」

猫の嫌がる延命治療を一切しようとしない
獣医さんに、老人の不安が広がる。
水だけでこんなに長くもつのなら、
無理矢理にでも栄養を与えてやれば
回復するんじゃないか、弱ってきてるのは
病気のためというより飢えのためではないのか。

またあるときには安楽死という選択肢が
浮かび、老人は混乱する。
すると獣医さんはこんな言葉を返す。
「もし僕が飼い主なら、こんなにも自然に
自分で去っていこうとしている猫に、
どんな人工的な手段もとりたくないと
思うでしょう。ですが、猫よりあなたが
耐えられないのなら、今すぐ逝かせてやりましょう。
あなたの猫ですし」

結局老人は、自分の生と死を重ね合わせ
悩みながらも、モンの最期を見守り、
見届ける。暗い話なのに読後感は
ほっこりとかすかに暖かい。

 久々のブログ更新。
ここ二週間ほど義父の葬儀で
慌ただしい日々を送っていました。
ようやく精神的にも日常に戻りつつあり
一連の日々を「怪なるブツ」の方に
書き留めておくつもりです。
スポンサーサイト