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岩波書店にファクシミリ版という豪華本シリーズがある。
通信機器のファックスのことではない。語源は同じだが。
ラテン語のfacere=写すと simile=同じもの からなる意で
つまりレプリカ本。
稀少なオリジナル本を完全に再現することを目的としており
結果として目の玉が飛び出るほど高価。

地元の図書館にて探したところ、
一冊だけあった。
ベルガモ市立図書館蔵本ファクシミリ版  
「ジョヴァンニーノ・デ・グラッシの素描帖 」
全体
大きな紙箱を開くと、深紅の布にくるまれた薄汚い30ページの
糸綴じの小冊子が出てきた。78頁の別冊解説書付き。
ページ
写実的な動物や鳥類のほか
不気味な形象アルファベットがよい。
文字
全世界で999部の限定版で、
このうち日本版は、80部に限定され、
これは日本版限定番号42だ。
番号
2000年発売で、定価は15万円。

15万くらいで驚いてはいけない。
同じファクシミリ版シリーズで“レオナルドの手稿”と呼ばれる
ダ・ヴィンチが鏡文字で記したメモ、素描画のうち
フランス学士院図書館蔵、約2,000頁からなる
パリ手稿、アッシュバーン手稿のファクシミリ版は
定価2,472,000円。

「馬および他の動物 レオナルド・ダ・ヴィンチ素描集II 」
なんて、素描画は91点しかないのに155万円也。
 どちらも日本版監修が裾分一弘となってたので
検索してみると、裾分氏は学習院大学の名誉教授で、
世界のベスト3に入るほどのぶっとびな
ダ・ヴィンチコレクターらしい。

膨大な素描集の日本語つき画像は
コチラに詳しいです。
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以前、桜庭一樹の小説「私の男」について書いた
以下ネタバレです。
未読の方ご注意。

 *   *    *    *    *

私が思った「花の母親は、淳悟の母」説。
コレ、受賞時の選評に載ってました。
私だけの荒唐無稽な想像ではなかったことを
確認。

直木賞って、文芸春秋社の「オール読物」
っていう雑誌上に選評が載るんです(知らなんだー)。
3月号を読んでみると、選考委員の一人である井上ひさしが
「養父からいえば実母が妻であり、花は己が娘で
あり妹であり「私の女」だったーというのが評者の
解釈である。」とはっきり書いてありました。
インモラルな設定を、ギリシャ悲劇の構造を使って
神話化してるという見解も説得力ある。

それと、執筆中、世界にもぐるために聴いた
ロックバンドとは、イエローモンキーであることが
判明しました。今度PV観てみたいな。

 ついでに読んだ他の選評のうち、林真理子のは
凄かった。まずタイトルからして

「嫌悪感」。

徹頭徹尾コレしか言ってない。これに尽きる。
確かにそういう所があると認めるのは
やぶさかではなく、一般多数な感想と
いえるのだろう。

「私には“わたし”と“私の男”が、禁断の快楽を
わかち合う神話のような二人、とはどうしても
思えず、ただの薄汚ない結婚詐欺の父娘
にしか思えない。」(オール読物2008年3月号)
と林は言ってのける。
相変わらず底意地の悪いグサっとくる悪口を
醜い文章で書かせたら天下一品のオバサンだ。
不愉快を通りこして最早笑うしかない。

 *   *    *    *    *

余談ながら、林真理子の不快な
直木賞選評は今回に限ったことではなく
極めつきとして「半落ち」をめぐっての前科がある。
コチラに、彼女の恥の上塗りぶりが
記録されている。(「半落ち」未読の方はヨムベカラズ)
 「辣韮」と書いてラッキョウと読む。
スープの冷めない距離に妹家族が住んでいるのだが
今年は母から教わってラッキョウを漬けるという。
うちの子供らは苦手なのだが私は好きなので
多少の分け前を期待して、昨日お手伝いに行ってきた。
母こだわりの鳥取砂丘のラッキョウを、三人で皮むき。
「一人だとこの作業が面倒なのよ」という話だが
さすがに三人だと、ちょっとおしゃべりしてるうちに
またたく間に終わる。
漬けて間もないラッキョウはしゃりしゃりして
美味しいのです。漬かるのがたのしみ。

 普段、新鮮なものとは縁遠い生活をしている。
しかしきょうは採れたての胡瓜と空豆を
の・愚痴さんからいただいた。
胡瓜は痛いほどのトゲがつやつやとしていて、
お塩をちょっとつけてぽりぽり丸齧り。
空豆は、さっと茹でて熱々を頬張ると、香り高く、
とりわけ小粒の豆が甘味が濃くて
とてもおいしゅうございました。
 歩いて15分ほどのところに住む母にも
お裾分けしたところ大喜び。

 季節を味わう生活。
心豊かになります。
式水さん情報で知りました、
京極さんのアンカット版「魍魎の匣」
アンカット
もう既に予約は終わってるので今更入手不可。
(買うかどうか悩まずにすんでヨカッタ←負け惜しみ)
アンカットっていうことは、袋とじ状態なので、付属の
清明桔梗入りペーパーナイフ(!)にてしずしずと
ページを切り開きながら読んでいくわけですね。
でもこれ買う人は既に内容を知ってるコアなファンだろうから
実際に切り開く人はあまりいなさそう。

日本で袋とじというと、立ち読みできないよう、
Hなグラビア写真なんかが綴じてあるイメージですが
もともとアンカット版っていうのは、昔の貴族が自分なりに装丁
し直して蔵書票なんかを貼っちゃう為の仕様らしいから
本来はこれにハードカバーをつけて化粧断ちして、
立派な手製本にしてあげるのが、まっとうな成仏なのかも。
にしても魑魅魍魎をみっしり封じ込めてる感がいや増す造りです。

京極さんは、本というオブジェに対して遊び心溢れるお方で
残念ながら私は一冊も持っていないけれど、豆本も数種類
作ってるし、オリジナルな栞はどれも味わい深いし、
初版限定でカバー裏にオマケを隠してくれてたりする。
カバー裏のオマケに関して私が気がついたのは
「後巷説百物語」の裏の新聞残酷錦絵と
「前巷説百物語」の裏の百種怪談妖物双六。
妖怪双六

アンカット版ということで思い出すのは、以前書きました
泡坂妻夫「生者と死者」 
煙のように、それまで読んでいた短編が消えてしまう
プランス綴じのとんでもない文庫本です。

 最近では赤井さんの「言壺豆本カタログ1」がアンカット
であることに気づき、勢いでさっき注文してしまいました。
このあいだの金曜日、久々高円寺へ遊びに行きました。
少年展を見に行ったのです。
少年展
まめまつりやデザフェスといった、今までの私の
数少ないイベント経験の中においてすら
一際輝いてらっしゃる有名な方々も
数多く参加なさっているとともに、不勉強ながら
この展示会で初めてお名前を拝見した方たちもいて
興味深かったです。

平日昼間のせいか他にお客さんもおらず、
大好きな世界を堪能しました。
 由里葉さんのボックスアートがとりわけ
印象的でした。
 ユウヰチさんデザインのミニCDは
独り占めできてしまったので、最初から最後まで
試聴させてもらっちゃいました。

ごっそりポストカードも入手し、穴のあくほど凝視したあとは、
そこから歩いて5分ほどの
茶坊高円寺書林へ、豆本鑑賞に。
ここには「豆本ガチャポン」と豆本棚があるのです。
高円寺茶坊棚2

豆本師匠のおれいゆさんコーナーもしっかりチェック。
おれいゆさん
フリーの豆カタログがすっごい小さくて
なのにちゃーんと本になっていてかわいくて感動。
すいません、作品を買わないのにこの豆カタログを
一ついただいてきちゃいました。

さらに「夢のトイレ」をささっと立ち読みしてきてしまった。
「半眼」と聞いて思い出したのは黒死館と
「可愛いエミリー」です。
それについては機会がありましたらまたそのうち。

棚の二番目の奥で怪しく光っているのは
雲泥流さんの作品のガラス瓶です。
雲泥さん
以前展示会でお見かけした豆本探したのですが
売り切れみたいでした。ざんねん(><)
その下の引き出しには昆虫双六とオフセット印刷の
「感染源」という画集が。
昆虫双六
迷いつつも「感染源」の方をお持ち帰り。
ほくほくしながら家路につき
帰宅後も、お土産と、展示会で撮ってきた画像を
眺めては、デレデレと、いつまでも
猫にマタタビ状態なのでした。
以前書きました、ペーパーブランクスのノート。
悩みまくって結局ケルズの書シリーズの
「エバンゲリ」を買いました。
あれから半年経過。
未だにビニール袋を開けられません(><)!

それにつけても気になるのは
このノートの製本方法、コプト綴じ。
チェーンステッチともいうみたい。
本の背の部分が無いので、180度開く。
コプト教の人々(エジプトのキリスト教徒)に
起源を発し、4世紀までさかのぼるのだとか。
名前がかっこいいぞ。

「各帖の隣接する綴じ穴の出入を利用して
各帖ごとに糸を鎖状に絞めてゆく。綴じ糸は
表紙の一方の板から入って本文料紙を綴じ、
他方の表紙の板に抜けて止められる
初期のコプト綴じは糸を2本に分けた」
という記述を発見。

どこかに図入りで綴じ方書いてないかな?
ほとんどお店番していたので、全体の1/6くらいしか
見れてないです。
1FのCブースはささっと見れました。
その中でいくつかご紹介。

タム君も大好きな「透明標本」
透明標本
こういう染色方法は知らなかったです。
水溶液の透明な青色や赤色ってホントきれい。
神秘的な標本です。

 標本ではないけれど、同じように光に透かして
青と赤を楽しめるのが訓子さんの写真。
訓
写真をデジタル加工し、スライドシートに印刷して
透きとおる風景を見せてくれる。
マウントに挟んで、透明ビーズをくっつけると
幻想空間を閉じ込めた愛しいオブジェになる。
光に透かして覗き込む、その小さな世界にうっとり。

 少年展のチラシもゲット。
うわっ、明日から始まる。なんとか期間中に行きたい。
少年展


 猫と三つの森さんの指人形
猫と三つの森3


アリス部で知ったcocoさんの水中庭園さんにも
突撃してきました。ピキちゃんのくるみボタン1個しか
買わないショボいお客の私にも、可愛い袋とカラー刷りの
冊子をくれる。
水中庭園さん


なにかよくわからないけどかっちょいいロボマネキン
ロボマネキン2


テントの中で文字と戯れる女子、
螺旋病院さん。寺山ちっくです。
文字お姉さん2

今回の出展は1F Bブースだったのですが、
私たちのブースの両隣がとりわけハイグレードでした。

 右隣は天幕が張ってあって遠くからもよく目立つ
「生みたて卵屋」さん。サイトはこちら
生みたて卵屋2

医療系雑貨というユニークなコンセプトで完成度がプロです。
作品は、全国の東急ハンズでも入手できるみたい。

 左隣は造形作家、鎌田光司さんのブース。
メタ系2

こちらもプロフェッショナル。
好きすぎて、気が付くとお客さんの対応そっちのけで
鎌田さんの蛙や猫を見つめてしまってました。
粘土造形は旦那様が、彩色は有田焼の絵付けもなさる
奥様がエアブラシを吹いてるんだそうです。
追記:あースイマセンっ、彩色もご本人の鎌田光司さんです。
私が聞き間違えました。この場を借りてお詫びして訂正します。(5/22))

mame
買おうかどうかずっと迷ってて、目の前に展示してあったのを
これ幸いにジーっと見張ってて、ついにラスト一冊に
なってしまい、「面倒くさいから当分もう作らないの」
という奥様の一言を聞いてついにたまらずお持ち帰りした豆本。
圧巻です。

どの作品も凄いのですが、なんといっても大きなドラゴンが大迫力。
総重量10kg、焼成するときオーブンに入りきらない為
3パーツに分けて作ったとか。大きいだけでなく、
モーターで動いたり光ったりするのです!
途中電池切れで、電池交換のためにドラゴンの
お腹を開けることに。
お隣の役得として、激写サセテイタダキマシタ。

ドラゴン解体前2
解体前

ドラゴン解体中2
解体中

HPのKamatyMoonを拝見したら、粘土教室を横浜で
開いてらっしゃるというので、来月、妹と二人で体験教室へ
行ってきます(仔豚を作ってこれちゃうんだぁ)。



うーふーにっくmini

5月17、18日と、東京ビックサイトでデザインフェスタというイベントがあって
妖怪ヘンプの瞳硝子さんと、タム君の三人で共同出展しました。
(瞳さんのサイトはコチラ

画像中央の試験管には、瞳さん手焼きの目玉ビーズが詰まっていて
お客さんへのつかみはこれでバッチリ。
実は、店番してる魔女風なロングの赤髪美女(←瞳さん)の存在自体が、
目玉試験管以前にお客の心をつかんでるんですけどね^^。

流木の木に鈴なりになってるのは、手焼きのガラス細工とヘンプからなる、
大好評の妖怪ストラップ。可愛いカッパやぬりかべや倉ぼっこや傘お化け。
他にもヘンプで編んだファティマの手や、目玉をモチーフにした独特の
ヘンプアクセサリー。売り物ではないけれど、驚愕の妖怪モチーフクイリングも
華やかに並べられています。

いきなり遅刻する私。
11時開場なのですが、出展者側なのに、一般のお客さんとほぼ同時に
すべり込みました。

凱留狗工房部分のアップ
凱留狗店2

雑然とした地味目なディスプレィ。あんまり凝ると荷物が大変なことになるので...
瞳さんが車でキャンプ用のテーブルと椅子を搬入しててくだすって
すっかり甘えてしまいました。

以前書いた小学生の男の子(タム君)が描く看板については
瞳さんの日記に詳しいので、mixiIDをお持ちの方は、「瞳硝子」
で検索して辿りついてみて下さい。
 タム君は看板だけでなく、今回名刺がわりとしてポストカードも一枚30円で
数種類販売しました。そのうち私が買ったのが↓
tamu.jpg

脳噛ネウロっぽい私好みなイラストを描く、将来が楽しみな少年です。
絵の後ろのマス目はなんだと思いますか?
答えは理科のノート。彼の情熱は、授業中やテスト中に発揮されるのであった^^;。

 開店直後に瞳さんのお友達である「妖怪及ビ超人愛好家」の式水さんが
大人買いをしてくださって喜ぶ私。このあと妖怪系の集まりがあるとかで
豆本「百鬼夜行」もお土産用にと三冊も購入していただく。

 その後も色々なお客様に見てもらえ、今までのイベント以上に
手ごたえを感じる。来てくれた方々、本当にどうもありがとうございました。
出展者数が滅茶苦茶多いので、よっぽどの個性がないと埋もれてしまいがちな
デザフェスだけど、なんでもありのこの空気はとても居心地が良かった。

 外人さんが少なくないのもこのイベントの特色。
イケメンの外人さんが、目玉つきの豆本「悪魔祈祷書」を私に突き出して
「コ、ワイデ~ス」と嬉しそうな笑顔を見せてくれたのも印象的でした。
がいじん

 




デザインフェスタへいらしてくだすった皆さん、
どうもありがとうございました。
おかげさまで豆本は「猟奇歌」以外完売、
アリス箱も8個も売れて感謝感激です。

以前書きましたように、
若干売れ残ったアリス箱のお嫁入り先を
この場で募集します。
どなたか引き取ってくださる度量の広い方
いらっしゃいませんか?
プレーンなデザインのBタイプが残ってますので
AタイプやCタイプをご希望の場合は
リメイクいたします。
この記事にコメントいただければ、
その後メールでやりとりして
先着でお渡ししますのでどうぞよろしく
お願いします。

画像はコチラの記事の「*その2 アリス箱」
を参照してください。
大きさはA4の半分の、A5サイズの桐箱。
蓋の透明部分はガラスではなく
薄いアクリル板かと思われます。

値段:2500円(送料込)
発送:エクスパック
ご希望のデザインをA,B,Cからお選び下さい


無事完売しました。
ご協力感謝です。
第二回アリス部参加作品です。
今回は豆本と箱を出展します。

*その1 豆本「地下室のアリス(抜粋)」
miniBookAlice
50mm×60mm

「地下室のアリス」(原題Alice`s Adventures Under Ground)
っつーのは、「不思議の国のアリス」の原型で、
キャロルおじさんが文章だけでなくイラストも描いてます。
文章の方は「不思議の~」の縮小版みたいなもの
なので、前回同様「プロジェクト杉田玄白」@山形浩生氏
から採録しました。
イラストの方はココとかで見れるのですが
けっこーエグイです。

書影2

 栞がわりにつけたトランプ型のチャーム。
はっきり言って邪魔。実用的ではありませぬ^^;。
 金文字印刷したくて覚悟して中古品を買った
アルプス電気のマイクロドライプリンター。
古いものなのでもはや修理対応外。
いまにも壊れそうでびくびくしながら出力しました。

*その2 アリス箱
AliceBox0

既製の桐箱に色塗ったり紙貼ったりしました。
我流ですが「カルトナージュ」と言い張っておきます。
大きさはA5サイズ。
紙はテニエル画をアレンジしてプリンタ出力。
周囲のゴテゴテは昔の錬金術系の挿絵からとりました。
3パターンありまして、上図はパターンA。
中味は同じで枠部分のこのゴテゴテ無しバージョンもあります。

planeWaku
ゴテゴテ無しバージョン、パターンB。
隅っこは100均のハンコをおしてみてます。

AliceBoxC
逆に、これでもかっ!?な過剰装飾のパターンC。

AliceBox
フタを開けたところ。

5月17、18日にデザインフェスタがあるので
これらの豆本と箱を持っていくつもりです(気に入ってくれる人が
いるといいなぁ)。
箱のメイン製作者、銀房のコメントはこちら

またしても作品の羅列だけになってしまった...
もっと物語っぽく見せる工夫したかったのに
時間がなくて断念。
もうすぐ。第二回アリス部
が始まります。
ちょっとトラックバックの練習です.
なんかうまくいかないっぽ?

と思いきや、OKだいじょうぶみたい。

マイクテストしゅうりょう~
5月17(土)、18(日)デザインフェスタという
イベントがあります。
瞳さんと共同出展で参加します。
DMも作ってもらいました。
DM

私に住所がバレてる方には
問答無用で送らせていただきましたぁ。
ブース番号はB-0038です。
遠いし、入場料(当日券だと千円)もとられるし、
もの凄い人手で疲れるしでなかなか行きずらい
イベントかと思われますが、よろしかったら。

凱留狗工房としては、豆本と箱を出します。

の・愚痴さんの書き込みを目にして
読みたくなった「猫鳴り」。
いい小説でした。

猫のモンちゃんを軸に
孤独を抱えた人たちそれぞれの
みっつのお話。
特に最終話は、老人がモンちゃんを
看取る話なんだけど、つい最近
亡くなった義父のことと重なって
読みながら涙が止まらなかった。

二十歳という猫にしては超高齢なモンが
日々衰弱していき、最期一ヶ月近く
食物を摂らず、僅かな水だけで
命をつないでいくさまが静かに
描かれている。

往診してくれる獣医さんの言葉が胸に染みる。
「悲しいのは、これはしかたのないことだと
思います。ですが、不安を抱いたり
恐れたりすることはないんですよ。
だって今起こりつつあるのは、
とっても自然なことなんですから。」

猫の嫌がる延命治療を一切しようとしない
獣医さんに、老人の不安が広がる。
水だけでこんなに長くもつのなら、
無理矢理にでも栄養を与えてやれば
回復するんじゃないか、弱ってきてるのは
病気のためというより飢えのためではないのか。

またあるときには安楽死という選択肢が
浮かび、老人は混乱する。
すると獣医さんはこんな言葉を返す。
「もし僕が飼い主なら、こんなにも自然に
自分で去っていこうとしている猫に、
どんな人工的な手段もとりたくないと
思うでしょう。ですが、猫よりあなたが
耐えられないのなら、今すぐ逝かせてやりましょう。
あなたの猫ですし」

結局老人は、自分の生と死を重ね合わせ
悩みながらも、モンの最期を見守り、
見届ける。暗い話なのに読後感は
ほっこりとかすかに暖かい。

 久々のブログ更新。
ここ二週間ほど義父の葬儀で
慌ただしい日々を送っていました。
ようやく精神的にも日常に戻りつつあり
一連の日々を「怪なるブツ」の方に
書き留めておくつもりです。