「輪る企鵝鉄道(まわるペンギンてつどう)」
(豆本 40ページ)MOTOYAブックカフェギャラリー のイベント"Book+"に出展販売しております。
オンライン販売も。


"Book+" at MOTOYA Book Cafe Gallery from 2 to 27 June.
くり抜き豆本です。
宮沢賢治の銀河鉄道の夜や幾原邦彦監督作品を意識してます。
作中の、一見意味不明なワードの羅列に込めた意味は、蔵書風QRコードを読み込んでアクセスした当ページにて一応蛇足的に説明してあります。が、それによって却って迷宮が深くなる可能性も。
豆本本文
桃果
九十五乃年
月は三度昇り 陽は二十日間照り続けた
企鵝の帽子は桃が呪われた時
二つ生まれた。
輪廻の輪を止めてはいけない
踊ろう あなたの為に
すり潰さなくちゃ
透明になる前に
すり潰さなくちゃ
置き去りにされる前に
桃のいなくなった日に
苹果が生まれた
生存戦略
日記からわかった 救う呪文
運命の果実を一緒に食べよう
君とわかちあう
本当の光を手に入れるために
すり潰さなくちゃ
透明になる前に
すり潰さなくちゃ
置き去りにされる前に
苹果
九十五乃年
月は三度沈み
陽はハツカ鼠のように灼かれた
蠍はルビーよりも赤く透きとおり
リチウムよりも美しく燃える
輪廻の輪を止めてはいけない
踊ろう あなたの為に
すり潰さなくちゃ
透明になる前に
すり潰さなくちゃ
置き去りにされる前に
深淵をのぞく時、深淵もまた
こちらをのぞいているのだ
石炭袋の底が抜けて輪廻が輪る
黄金と紅 運命の果実
苹果を二つに分けて
君とわかちあう
炎に焼かれたとしても
すり潰さなくちゃ
透明になる前に
すり潰さなくちゃ
置き去りにされる前に
【一行づつ解説】
桃果のこと
1995年
3月20日
ペンギンの顔飾りが付いた帽子。桃果が眞悧の「呪い」の中に閉じ込められ、その後身体を2つに分けられて
それは二つのペンギン帽となった。
人から人へと自己犠牲の運命は輪のように繋がっていき
自己犠牲の代償を共有し合い罰を受け合う。
そして互いに愛による自己犠牲で助け合う。
精神崩壊させないと
社会の歯車に成り下がる前に
精神崩壊させないと
置き去りにされる前に
桃果の命日は
苹果の誕生日
生存するための戦略
桃果が書いた未来日記でわかった
人を救うためには
互いに愛し合うこと
罰をわかちあおう
本当の幸せを手に入れるために
精神崩壊させないと
社会の歯車に成り下がる前に
精神崩壊させないと
置き去りにされる前に
苹果のこと
1995年
3月20日
蠍は自己犠牲の象徴
人から人へと自己犠牲の運命は輪のように繋がっていき
自己犠牲の代償を共有し合い罰を受け合う。
そして互いに愛による自己犠牲で助け合う。
精神崩壊させないと
社会の歯車に成り下がる前に
精神崩壊させないと
置き去りにされる前に
ニーチェの「善悪の彼岸」より
異常者の心理を分析する者は
自分自身も異常者になってしまう
「石炭袋」の底とは、死者の国へ通じる。
死者から連綿と続く、
人から人へと自己犠牲の運命は
輪のように繋がってる。
黄金色と紅色のリンゴ
リンゴという原罪をわかちあい
あなたと自己犠牲の代償を共有し合う
蠍のように焼かれたとしても
精神崩壊させないと
社会の歯車に成り下がる前に
精神崩壊させないと
置き去りにされる前に
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参考*幾原邦彦監督 「輪るピングドラム」2011年テレビアニメーション作品*16年前。桃花は運命の乗り換えという世界改変の超能力と、それに伴う犠牲も怖れない聖人的な精神をもつ小学生。眞悧もテロ組織を指揮し世界の破壊を実行しようとした。桃花と眞悧は死後も、二つのペンギン帽と幽霊の呪いのメタファとして存在し続け、生存戦略として自分の意志を引き継ぐ役目を苹果たちに課そうとする。*この豆本は、幾原邦彦監督作品へのオマージュであり宮沢賢治「銀河鉄道の夜」を下敷きにしている。*桃果(ももか)は苹果(りんご)の姉である。1995年3月20日 現実の世界で地下鉄サリン事件が起きた。桃果は地下鉄の車内で「運命の乗り換え」によって眞悧を追放し犯行を止めようとするが、眞悧と相討ちになる形で彼の「呪い」の中に閉じ込められ、2つのペンギン帽を生じた。世間では日記帳だけを残して消滅、亡くなったとされている。自らが「蠍の炎」による代償を受けようと、他人を救おうと考える慈しみを持つ少女。*眞悧は世界全てを否定する「呪い」のメタファーでもあり、16年前の事件における真の首謀者である。桃果を「呪い」の中に閉じ込め2つのペンギン帽に分かつも、自らも「乗り換えの呪文」を受けた結果、2羽の黒いウサギを生じ、現世から消えた。表向きには計画を阻まれて彼女と共に消息を絶ち、死亡したとされているが、この世を呪う実態のない「幽霊」として「企鵝の会」を動かし、世界を破壊する計画を再び実行しようとする。*こどもブロイラーとは世界から捨てられた子供たちが集められる施設で、複数の大きな換気扇が回転している。ここに集められた子供は、ベルトコンベアに乗せられ、巨大なシュレッダーで粉々に砕かれて処分され、「透明な存在」となり、この世から消えてしまうと言われている。*ピングドラム リンゴ 愛のめたふぁ 運命の果実 乗り換えの鍵 誰かに渡す誰かへの愛情 愛する感情 ピングドラム=運命日記 選ばれなかったこと = 愛されなかったこと自己犠牲の象徴 蠍の炎 原罪(リンゴ)から人類を解放するのがイエスの自己犠牲
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幾原邦彦監督作品を意識した、
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